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またも辞めたか亭主殿〜幕末の名奉行・小栗上野介〜
万延元年、日米修交通商条約批准のためアメリカに向かった使節の中に、その後の日本の運命を握る二人の男がいた。小栗上野介と勝海舟である。 欧米の先進文明を見た二人は、開国の必要性を痛感する。しかし吹き荒れる尊王攘夷の嵐の中で、小栗も勝もある時は重用され、またある時は居所を失う。小栗の妻、道子は夫が無役になるたびに、いずれお呼びがきますと励ます。 小栗はフランスから技術を導入し、横須賀に造船所を建設する。近代日本を見通した大事業だった。だが、小栗に時は味方しなかった。薩長攻撃の主唱者と目された小栗に官軍の刃が迫る。