東京秘密ホテル けものの戯れ
あゝッ…、もう駄目、立っていられないわ…背徳にふるえながら官能の淵に目くるめく昼下り!
立花春枝の夫、良介は長い病院暮し。春枝はひとりで家業である本屋をきりまわしているが週に一度はかかさずお見舞。寝たきりの良介の顔にまたがって思いきり口唇の愛撫にまかせるのである。立花書店には時折妙な客があった。「世界戯曲全集のなかの第四巻イギリス篇だけ売って欲しい」春枝の眼がギラリと光る。部厚い表紙を開くとそこに若い娘の写真。「これでいいんですね」―契約成立。春枝は秘密売春グループを組織しているのである。客がOKをだせば、数時間後には都内のホテルの401号室”立花モデルグループ”のプレートのかかった部屋で、好みの女性を抱けるという形をとっていた。かかえている女性は超一流。知性派の女秘書はSM好み、健康派の体操教師はどんな体位も可能。なかには女性ハンターも。ある日”第一巻ギリシャ篇”を指定する客が来た。第一巻は春枝自身。熟れきった肉体をもてあまし気味の春枝は男を貪欲にむさぼった―。