肉弾
昭和二十年、夏。二十一歳六ヶ月。太平洋にポッカリ忘れられた<あいつ>の青春。
岡本喜八監督による戦争ドラマの傑作。特攻隊員となった若者が作戦遂行直前に与えられた一日だけの休日に体験した瑞々しい出来事を通して戦争の愚かさとそれによって踏みにじられた幾多の青春への思いをコミカルなタッチで痛切に描く。昭和20年夏。“あいつ”は魚雷をくくりつけたドラム缶に入り、太平洋上に浮かんでいた。特攻隊員のあいつは一日だけの外出で色々な人たちに出会った。古本屋の老夫婦、砂丘で知り合った兄弟とおばさん。参考書を持った美しい少女とは、やがて防空壕の中で結ばれた。 しかし、その少女は空襲で死んでしまった…。あいつは魚雷と共に復讐へ向かった。そして、ついに敵らしき船を見つけた…。